ベルン大学 歯周病科

スイスのベルンに行ってきました。ベルンはスイスの首都でとても綺麗な街並みです。言語はドイツ語、イタリア語、フランス語、英語いろいろ混ざっていますが、メインはドイツ語らしいです。物価が高いとは聞いていましたが、本当に高かったです…所得も高いそうですが…

ベルン周辺には医療機器・医薬品メーカーやスタートアップなど医学の発展に関わる多くの企業が集まっています。

ベルン大学歯学部は世界トップレベルです。今回はそのベルン大学の歯周病科へ一日見学に行ってきました。

2024年4月にスペインで開催されたシッチェスのREGEDENT社のシンポジウム

大会長はベルン大学歯周病科 教授Anton Sculean先生でした。

目的はこの記事でもあったREGEDENT社が提案する新しい歯周病・インプラント周囲炎の治療コンセプトCLEAN&SEALの症例見学です。REGEDENT社の方と一緒にベルン大学へ向かいました。

ベルン大学 歯周病科

ベルン大学は世界的に有名な歯科医師の先生が所属されていたり卒業されています。

歯周病科の教授はAnton Sculean先生です。Anton Sculean先生はCLEAN&SEALや歯周外科治療でのヒアルロン酸の応用などを研究されています。歯周外科治療にヒアルロン酸を使用することで炎症が抑制されたり、歯周組織の再生が促されます。今回の見学でも見させていただきましたが、ベルン大学では研究だけではなく実際に患者さんに対してヒアルロン酸を用いた歯周治療もおこなっています。実際にベルン大学歯周病科でも臨床的に良い結果が出ているとのことです。

CLEAN&SEALの見学だけでなく、歯周外科治療や歯周組織再生療法のオペも見学させていただきました。ベルン大学歯周病科には歯学部卒業後の3年間ポストグラデュエートコースというのがあります。歯周病科の教員とポストグラデュエートコースの歯科医師がペアでオペをしていてとても素晴らしいコースだなと思いました。

CLEAN&SEAL

CLEAN&SEAL - Therapy for periodontitis, mucostits and periimplantitis - Regedent

CLEAN&SEALは新しい歯周病・インプラント周囲炎に対する新しい治療コンセプトです。Perisolv、hyaDENT BGを用います。

歯周病の治療は大きく分けて4ステップあります。

STEP1 歯磨き

STEP2 歯茎のバイ菌をとるnonsurgical 

STEP3 歯周外科・再生療法(手術)

歯周病の管理

STEP3の外科治療になってしまう前に、STEP2の治療で止めたいというのが最近の流れです。それが「定期的に歯医者に行きましょう!』につながります。

このSTEP2や歯周病管理のタイミングで非外科的に再生させようというのがCLEAN&SEALの特徴です。インプラント周囲炎にもCLEAN&SEALが有効とのデータがあります。

REGEDENT社の方から最新のデータやクリニックでの臨床ケースを共有していただきました。

歯周病とインプラント周囲炎

現在世界的に歯周病・インプラント周囲炎が増加しています。厳密に言うと少し違いますが、インプラント周囲炎はインプラントの歯周病です。同じようにプラークが原因で発症します。

歯周病の治療をしないままインプラント治療をしてしまうと、もちろんインプラント周囲炎を発症する可能性は高いです。

歯周病治療はSTEP1ができてSTEP2。STEP2ができてSTEP3が成立します。歯科医師も患者さんもSTEP3(外科治療)すれば治ると思いたいところですが、大切なのはSTEP1 STEP2です。CLEAN&SEALのような非外科的な治療nonsurgicalに注目が集まることで、歯周病治療の本質的なところが広まることを願います。

大切なのはまず歯磨き。そしてSTEP2の非外科的な歯周治療nonsurgical私たち歯科医療従事者も患者さんもこのことを忘れてはいけません。

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