メキシコシティからバスで3時間、日系企業も多く進出しているケラタロという街にある歯科クリニックを訪れてきました。メキシコと聞いたらタコスやプロレスを思い浮かべます。今回は、歯周病やインプラント治療の専門医であるManuel Feregrino Mendez先生のクリニックで2日間にわたり手術を見学させていただきました。
本場のタコス
本場のプロレス
肥満の国メキシコ
メキシコは世界でも有名な肥満大国だそうです。街を歩いていると、日本では見かけないような大柄な人がたくさんいます。食事の回数が1日4~5回の人も存在するらしく、タコス屋さんが街中に溢れています。メキシコのタコスは私が知っているものより、1つ食べるとお腹にたまり、コカコーラを片手に楽しむのが一般的なスタイルのようです。こうした生活習慣が肥満の原因になっているのだと推測します。
PRGFによる再生治療
Manuel Feregrino Mendez先生は、スペインのbti社が取り扱っているPRGFという技術をほとんどの手術に使っています。PRGFとは患者さんの血液から血漿成分を取り出したもので、PRGFを用いることで組織の治癒と再生を促します。手術前に患者さんから採血を行い、遠心分離機で血液を処理する必要がありますが、この方法は人工材料や動物由来の材料を使わない自然な治療法とも言えます。
インプラントの再治療
インプラントが再治療になる原因としては、インプラント周囲炎や過剰な力が挙げられますが、根本的な原因としてインプラントの位置が悪いということも考えられます。今回は、他院でインプラント治療をしたが入れた位置が良くなかったために、前歯4本のインプラントを除去し、その部分の骨を再建する手術を見学しました。長時間に渡る難しい手術でした。インプラントは骨にしっかりと付着しているため、簡単には抜けず、骨を削って取り除く必要があります。これを考えるだけでも、手術の大変さが伝わると思います。インプラント手術は慎重に決断する必要があると改めて感じました。
歯科衛生士の不在
驚いたことに、トルコに続いてメキシコにも歯科衛生士がいないそうです。アメリカでは歯科医師や歯科衛生士が人気の職業とのことですが、その隣国であるメキシコにまさか歯科衛生士がいないとは驚きました。もしかすると、世界にはもっと歯科衛生士がいない国が多いのかもしれませんね。
インプラントは入れて全てが終わるわけではありません。その後ずっと管理をしていく必要があります。しかし、なかなか歯科医師だけでは手が回らないのが現実です…
歯科衛生士が存在し、保険診療で歯周病治療を受けることができる環境。日本の歯科医療制度は素晴らしいですね。それでも歯周病は減らないですが…
コメント