最近テレビで新しい歯周病治療機器の特集が組まれていたので、私も気になって調べてみました。長い研究開発の結果、販売が開始されたようです。プレスリリースの段階で噂だけは聞いたことがありました。もっと歯周病に関する内容をテレビ番組で取り上げて欲しいですね。歯周病治療は1回で終わるなどの間違ったイメージが付いてしまうと困りますが…
歯周病の治療法
まず歯周病の治療には大きく分けて原因療法と対症療法があります。基本的に根本的に原因を除去するには徹底した歯磨きしかありません。歯科医院で行う歯石取りやクリーニング(私はあまりそういった表現は使いませんが)はあくまで対症療法です。
歯周病の治療法は
STEP1 歯磨き 原因療法
STEP2 非外科的歯周治療 対症療法
STEP3 外科的歯周治療 対症療法
歯周病の管理 一生続きます
と4つの段階に分かれます。
※絶対に外科的歯周治療をしないといけない訳ではありません
これがまず歯周病治療におけるルール、原則です。STEPを飛ばして治療を進めてはいけません。歯磨きができない状態で先に進んでも、歯周病が悪化するだけです。
STEP2の非外科的歯周治療には通常超音波スケーラーと呼ばれる超音波と水が出る機器(たまに歯がしみるアレ)やハンドスケーラー(キュレット)が使われます。
歯間ブラシの歯医者さん愛用のLMシャープダイヤモンド ミニグレーシーキュレット
新しい歯周病治療
今回テレビで特集されていたのは歯科医院と患者をつなぐコミュニケーションアプリペリミルと東北大学が開発した世界初の歯周病治療器Blue Radicalを組み合わせて歯周病治療をおこなうというコンセプトだそうです。
Blue Radicalは重度歯周炎に対する効果を国が認めた唯一の歯周病治療器で、超音波振動と過酸化水素とレーザー照射によりラジカル殺菌で口腔内細菌を99.99%殺菌できるそうです!
私の理解では、ペリミルというアプリでSTEP1の原因療法の質や歯周病の管理の質を高め、本来であれば重度歯周炎のためSTEP3の外科治療になるところをBlue Radicalで非外科的に治療することが可能になるのかなと思っています。
※人体に影響はないそうです
最近は禁煙アプリや、糖尿病アプリなんかが医科の世界では登場していると聞いたことがあるので、これは良いアイデアだなと思いました。
歯周病は口の中に興味がなくなるネグレクトが歯周病発症の最初のメカニズムだとHPに記載されていました。歯石取りやクリーニング(あまり使いたい表現ではありませんが)のような対症療法のみに偏らず、歯周病を根本から解決するという素晴らしいコンセプトです。
このアプリを利用することで歯科医院と毎日コミュニケーションを取れるようになったり、有益な情報を得ることができるようになるそうです。
患者さんの口腔内への関心を高めることは歯周病治療にとって1番大切な部分ですから、素晴らしいアプリだと思います。
この機器を導入されている歯科医院はまだまだ少ないので、見学させてもらえるクリニックがないか探してみたいと思います。
非外科的歯周治療の可能性
今回のテレビでの特集を見ていると患者さんの外科的な治療を避けたいという思いを改めて実感しました。それと同時に歯科医療のコストパフォーマンスも考え続ける必要があるなと思いました。
STEP1が確率されていなければ、Blue radicalがあっても意味がないと思います。そういった課題をアプリで解決する試みは良いアイデアだと思います。歯磨きをどうやって定着させていくのか…私も日々考えている難しい課題です。テレビ特集の内容をBlue radicalがあれば1回で歯周病治療が終わると勘違いしなければ良いのですが…
こういったものをきっかけに歯周治療の流れはどんどん非外科的になるだろうと私は確信しています。非外科的歯周治療の予知性は高いです。新しいものが発表されることで、非外科的な歯周治療にもっと注目が集まることを期待します!
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