EuroPerio(ユーロぺリオ)11 VIENNAに行ってきました※初参加

EuroPerioとはヨーロッパ歯周病連盟(EFP)が3年に一度開催する歯周病の学会です。メインの会場キャパは4000人でそれが満員になるぐらいの参加者がいます。ヨーロッパ歯周病学会ですからヨーロッパ中から歯周病の専門医が集まってきています。

それ以外にも企業展示のブースがあったり、複数のサブ会場でも同時に講演が行われていますので、とてつもなく大きな規模です。

やはり世界はすごいと圧巻されました。

EuroPerio11について

オーストリアのウィーンで2025年5月14日から17日までの4日間開催されました。

とても綺麗な街並みです。

私は診療がありましたので途中からの参加です。もちろん内容は全て英語ですので、私の厳しすぎる英語力と歯周病の知識で内容をなんとなく理解していきます笑

メインの会場では毎朝ライブオペ(手術室と会場を中継で繋いで、会場の司会とディスカッションしながらの手術)があります。

映画を撮影するような本格的な機材を手術室に設置しているので、動画のクオリティーはかなり高いです。

それと同時にサブの会場でも講演、症例発表、ポスター発表、企業展示などが進められています。

おそらく日本の歯科医師も100人くらい参加していたのではないでしょうか。

学会の目的は自身の研究や臨床を発表、議論することです。私はただ聞きに行ってるだけですが、発表する先生方はたくさんいますし、日本人の歯科医師も世界に向けて発表されていました。

海外の学会で発表する日本人の姿を見ると本当に尊敬しました。

私もいつか歯間ブラシで世界に発表したい…

世界の歯周病治療のトレンド

昔はインターネットがあまり発展していなかったので、海外に行かないと得ることができない情報なんかもあったみたいですが、今の歯科医師はinstagramyoutubeで情報をゲットする時代です。

それに最新の論文もインターネットで見れますし、著名な先生ともSNSを通して繋がることができるのでトレンドはなんとなく分かります。

勉強会などもオンライン開催されることが増えたり、過去のものも録画されるようになったのでいつでもどこでも勉強できます。最近はそういった歯科情報を配信する歯科業界専門のメディアも増えてきました。

最新のトレンドは再生療法や歯肉の移植治療だと思います。学会でもそういった内容がほとんどでした。それと歯周病学会ですが、インプラント学会かと思わせるくらいインプラント治療の内容も多いです。

しかしインプラント治療を選択するという流れに一石を投じるような内容の講演もあり大変興味深かったです。

私が好きな領域である非外科的な歯周治療は特に新しい内容ではないので特に注目されているわけではないですが、歯周病治療の基本であり一番大切な部分です。

Hu-Friedy社(歯周治療器具、キュレットなどで有名)がSRP(非外科的歯周治療)の後に、歯周ポケットに入れる薬品?を新発売していました。(ビタミンCが入っているそうです)

ビタミンC組織の治癒促進や再生を促すらしく、以前にも投稿したヒアルロン酸を用いた非外科的歯周治療とコンセプトは似ていますね。

歯周ポケットの中に注入するジェル??みたいです。

以前投稿したCLEAN&SEALREGEDENT社のブースも大盛況でした。

非外科的歯周治療にもっと注目が集まる世界になって欲しいと改めて感じました。

日本よりヨーロッパが良いのか

今回の学会で改めて日本と同じように海外でも再生療法や歯肉の移植治療がトレンドであることが分かりました。

こういった治療は最新の器具や材料を使用することになるので、それに関わる歯科関連企業も利益が増える難しい構造です…

しかし病気を治すことも大事ですが、もっと大切なのはそうならないようにすることです。海外では歯科治療は保険診療でカバーされていない国が多いですから、気軽に歯科医院に行ける国は少ないです。(一部の歯科治療が保険でカバーされている国や、予防歯科医療が保険診療に含まれている国はあります。)

目の前の患者さんの歯を治療することも大切ですが、もっと視野を大きくして我が国の国民全体の歯を守るという視点も私たち歯科医師には必要です。

そう考えた時に、気軽に歯科医院に行ける日本の歯科医療制度は世界で1番進んでいるのではないかと思います。(医療費の問題など課題もたくさんありますが)

現在の日本の歯科医療制度を活用して、歯間ブラシを普及させることができれば、歯周病患者さんは絶対に減少すると思います!

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