イタリア リミニの歯医者さん

イタリアのリミニに行ってきました。

目的はインプラント学の研究者で世界的に活躍されているDaniele Botticelli先生の診療所の見学です。

リミニはミラノから電車で3時間の場所にあります。海沿いの綺麗な街でイタリアのビーチリゾートといった感じでしょうか。6月でしたのであまり混雑していませんでしたが、7月以降のハイシーズンになると大混雑するらしいです。

ミラノは世界的に有名な都市なのでレストランの値段がすごく高かったですが、リミニはまだ許容範囲かな?という感じでした。

歯科医療の研究所ARDEC (Ariminum Research & Dental Education Center)

様々なご縁があって、今回の見学が叶いました。

Daniele Botticelli 先生は世界的に活躍されているインプラント学の研究者です。

イタリアの教育制度は日本と少し違うので、彼は医師免許を取得した後に歯科医師の課程を修了しています。以前のイタリアではこのように医師免許を取得した後に、3年間の歯科医師のプログラムがあったそうですが、10年ほど前から歯科医師の国家資格は別になったそうです。

彼は研究者でもありながら、インプラントの治療もする臨床家です。インプラント学というのは、もともと歯周病学の派生のようなもので、海外の歯周病学の先生たちがインプラント学を発展させてきた歴史があります。Daniele Botticelli 先生も歯周病学の本家であるスウェーデンイエテボリ大学の博士課程を修了されています。

インプラント治療は歯周病の治療があってこそ成り立ちます。歯周病を理解しなければインプラント治療をしても、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)が起こってしまいます。

私たちは過去の研究をベースに日々の歯科治療を実践しています。今回訪れたのはDaniele Botticelli 先生のクリニックでもあり、研究所そして歯科医療の教育センターでもあります。医学の発展に研究、教育は欠かせないものであり、それが詰まった場所に来ることができたのはとても光栄です。

イタリアの歯医者さん

イタリアは日本と同じように高齢化が進んでおり、若者が物価上昇に苦しむ日本と似たような国です。

イタリアは医療費無料ですが、歯科医療は自由診療です。つまり保険が効きません。

歯科医療の教科書は基本的に日本と同じなので、診断や治療の方法に大きな違いはありません。

ただ、患者さんの治療の選択が国によって大きく違ってきます。

歯が痛くて歯医者さんに行ったとします。もし虫歯で神経を取らないといけない場合…

自由診療ならクリニックにもよりますが、神経をとって10万円、被せ物をして10万円。

合計20万円ほどの見積もりが出てくると思います。

日本だと保険診療があるので支払いは合計2万円くらいでしょうか?

①根っこの治療、被せ物20万円

②抜歯2万円

③そのまま0円

みなさんならどうしますか?

これが患者さんの治療の選択が国によって変わるということです。

Daniele Botticelli 先生の治療

1日の見学で抜歯やインプラントの治療を見学させていただきました。最新の器具や、高価な器具を使っているわけではないですが、シンプルでとても正確な治療を見せていただきました。

初診のインプラント周囲炎の患者さんも来院されていました。イタリアでも日本と同じように高齢化とともにインプラント周囲炎が増えているらしく、患者さんのライフプランを考えた治療計画が必要だと感じました。日本の歯科医療界も現在同じような課題が増えてきています。

診療の合間には現在行っている研究やアイデアのお話をしていただき、とても充実した一日を過ごすことができました。

私はまだ歯科医師4年目なので、これからどんどん決断してチャレンジすることが大切だと最後にメッセージをいただきました。帰ったら一生懸命歯間ブラシの歯医者さんを続けようと思います。

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