初・海外学会

実は今歯医者さんを少しだけ辞めて、世界一周の旅をしています。

せっかく世界を周るチャンスなので、各地で歯科の勉強をしたいなと考えております。

スペインのバルセロナから電車で30分。シッチェスsitgesという街で開催されたREGEDENT社主催の学会に2日間参加してきました。

シッチェス海沿いの綺麗な街並み

ヨーロッパ各地から多くの歯医者さんが参加しています

SYMPOSIUM NOVEL REGENERATIVE CONCEPTS FOR DENTISTRY 

新しいコンセプトの歯周組織再生療法といったような内容の2日間でした。歯周病治療や歯周外科(歯肉の手術)にヒアルロン酸を用いた症例の発表をたくさん見ることができました。ヒアルロン酸を使用することで歯肉の再生を促したり、術後の炎症を抑え痛みが軽減されたり、治癒が良くなる可能性があるとのことです。実際にヨーロッパの歯科大学では研究が進んでいて、今回はそれらの教授陣が登壇されていました。

現在、歯周病・インプラント周囲炎は世界中で増加しています。日本も同じです。

それらを治療する方法として手術をすることもありますが、身体への侵襲を考えるともっと安全な方法を取りたいのが実際です。手術になる前に治療をして、それを防げるのであれば私たちも患者さんも嬉しいと思います。

REGEDENTというスイスの企業ですが、新たなコンセプトの治療法を提案しています。

PERISOLV クロラミンジェル

hyaDENT BG 高分子のヒアルロン酸

これらを組み合わせて歯周病・インプラント周囲炎を治療するのがCLEAN&SEALという新しいコンセプトです

医科の世界ではヒアルロン酸は一般的になっていますが、今後歯科の世界でもヒアルロン酸が一般的になるかもしれません。ヨーロッパでは徐々に広まっているそうです。日本ではまだまだ先になりそうですが。CLEAN&SEALというのは、外科治療を回避して歯周病・インプラント周囲炎の治療を行い、さらに再生させるというコンセプトです。

ヒアルロン酸を歯周病治療に応用することに関しては、様々な文献から有効であることが分かります。

しかし歯周病の世界ではこういった新しいものが出てきたときは注意が必要です。

歯周病に関してはこれを使えば治るというようなものは存在しません。

なぜなら毎日の歯磨きがあってこそだからです。以前から発信しているように、歯間ブラシが習慣化していない状態では、おそらくヒアルロン酸を用いた治療も意味はないでしょう。

患者さんだけではなく、歯科医療従事者も勘違いしないことを願います。

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