- 歯間ブラシに関する内容をまとめてみました。この記事を読んでいただけると、歯間ブラシに関する疑問を全て解消できると思います。
目次
歯間ブラシがなぜ必要か?
歯周病予防としての歯間ブラシ
歯周病は歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)の歯周病細菌によって引き起こされる、感染性炎症性疾患です。歯肉の炎症が続くと骨が溶け始め、最後には歯が揺れて抜けてしまう怖い病気です。
歯周病を治す飲み薬や洗口剤があるわけではなく、1番の対策は原因である歯周病細菌を歯ブラシで物理的にこすって落とすことです。
特に歯と歯の間の歯肉は炎症が起きやすい部分で、歯周病の初発部位でもあります。
歯間ブラシは歯周病に最も弱い歯間部分を清掃するのに優れているため歯周病予防には必須です。
みなさんは歯磨きをしていて「血が出た」と気づく時はありませんか?歯ブラシだけだとどこから出血しているのか分かりずらいですが、歯間ブラシを使うとどこから出血しているのか一目で分かります。
歯周病は気づかない間に進む「サイレントディシーズ(沈黙の病)」と呼ばれることがありますが、歯間ブラシを使うと自宅で歯周病に気づくことができ、早いうちから対策することができます。
歯間ブラシを通して出血したとしても、2週間続けると出血は止まります。安心して使用してください。止まらない場合は使い方を間違えているか、別の病気である可能性があります。
フロスより歯間ブラシ
フロスと歯間ブラシの違いが分かりますか?
私は日々診療をしていて、5人に1人はフロスと歯間ブラシの違いがわかっていないのでは?と感じています。
フロスは糸ようじってやつですね。
歯間ブラシはこれ。
フロスより歯間ブラシの方が歯周病予防になると私は考えています。
基本的には歯間ブラシしか患者さんにはおすすめしていません。どうしても歯間ブラシが通らない部分にはフロスを使ってくださいと言うこともありますが、細いサイズ(3S、4S)なら結構通すことができます。みなさんが思っているよりも歯間ブラシって普通に入ります。
定期検診より歯間ブラシ
歯間ブラシでしか磨けない部分が必ずあります。歯ブラシだけで完璧に磨くことは出来ません。
患者さんへのメインテナンスに歯間ブラシを使っている歯科衛生士けっこういますよ。その歯間ブラシの使い方を全ての患者さんに説明することが出来れば、もっと歯間ブラシの大切さが広まるのに…と日々感じています。
歯科医院でお口の中を完璧に綺麗にしてもらっても、プラークが付着すると歯肉の炎症は2日で始まります。だから歯科医院だよりの歯磨きなら、2日に1回メインテナンスに来てもらわないといけません。笑
自宅で歯周病に気づくことができ、歯ブラシが届かない部分を磨ける歯間ブラシ。使うしかないですよね。
「歯を掃除してもらいたい」と思っている患者さんがいますが、私は「歯が磨けているかチェックする」ことが私たちの仕事だと思っています。
私は患者さんの歯を掃除することが仕事だと思ったことは一度もありません。
患者さんとの合言葉は「血出ていませんか?」「悪いところがないか診ていきます」です。
歯間ブラシの選び方
結局どの歯間ブラシを買えば良い?
私はLIONのDENT.EX歯間ブラシ3S(SSS)を患者さんの説明に使用しています。
患者さんへの指導用の個包装が販売されているので説明用には最適です。ワイヤーが細くてしっかりしているので、初めて使う方でも使いやすいです。
歯間ブラシは歯間にぴったりのサイズを使用することがベストですが、私は患者さんに最初説明する場合、3Sサイズ一択です。
大切なのは歯間の左右にそわして優しく10回ずつ動かすことです。歯肉をマッサージするようにするのがコツです。慣れてきたら歯間にぴったりのサイズを使用することをおすすめします。
形はL字型をおすすめします。奥歯はL字型でないと通すことができません。奥歯の方が歯周病になりやすいので、L字型を使いましょう。歯医者さんの診療器具もL字型のものが多いです。
最近は、ウエルシアに売っているこの歯間ブラシをおすすめしています。10本も入ってるんですよ。1本で1週間くらい使えます。使い捨てだと勘違いしている患者さんもたくさんいてびっくりします。笑
手軽に購入できるところが良いですよね。
ゴムの歯間ブラシって良いの?
最近はゴムの歯間ブラシをよく見かけますが、患者さんに使用してもらったことがないのでよくわかりません。
L字型で奥歯までしっかり磨けて、出血が止まるのであれば良いかもしれませんね。
歯間ブラシの使い方
どうやって使うの?
使用頻度ですが、1日に1回が目安です。特に夜寝る前に使用することをおすすめします。ちなみに私の歯磨きのルーティンは歯ブラシ朝3分、歯ブラシ昼3分、歯ブラシ夜5分+歯間ブラシです。
歯間の左右にそわして優しく10回ずつ動かすことが基本です。歯茎をマッサージするように動かすのがコツです。ちなみにバイ菌が付着しているのは歯肉ではなくて歯です。
出血する場合
歯間ブラシを通して出血=歯周病です。
つまり歯肉が炎症状態にあるということです。他の身体の部位で例えると、「鼻血が出ている」、「膝から血が出ている」に近いイメージです。
歯肉が出血しているということは、歯周病細菌がそこに存在しています。
「鼻血が出ている」、「膝から血が出ている」とき、みなさんはどうしますか?身体の中にバイ菌が入らないように洗いませんか?歯肉からの出血も同じです。歯間ブラシで出血しているところのバイ菌を除去しましょう。
2週間毎日歯間ブラシを正しく使うことで、歯肉の出血は止まります。
それでも止まらない場合は、歯間ブラシの使い方が間違えている、もしくは別の病気である可能性があります。
やりすぎたら歯肉が下がるのか
もちろん力強くやりすぎたり、1日に何回もすると下がる可能性もあります。
しかし元々腫れていた歯肉が引き締まって、歯肉が下がったように感じる場合がほとんどだと思います。歯の磨き過ぎによって、歯肉が下がって歯が抜けた人は聞いたことがありません。
少し歯肉が下がったとしても、引き締まった健康な歯肉の方が美しいです。
健康な歯肉は出血がなく綺麗なピンク色をしています。
どうしても白い歯に目が行きがちですが、健康な歯肉があってこそ白い歯が綺麗に見えるんです。
歯間ブラシに関する様々な疑問解決できましたか?
歯間ブラシがみなさんの日常になるよう発信していきます。
コメント